FakePlasticTree

ひびのいろいろ

書評

今年読んだ小説の中でピカイチ【書評】星々たち

星々たち桜木 紫乃実業之日本社 ( 2014-06-04 )ISBN: 9784408536453FakePlasticTreeで詳細を見る 僕は桜木紫乃に魅せられる 以前から僕はこの著者(桜木紫乃)の紡ぐ物語が大好きだった。筆者の著作を読了する度にその魅力の虜になる。もはや中毒といっても…

【書評】ど根性ガエルの娘

梅さんの出前鮨 と 平日の夕方 昭和50年代から60年代にかけて学校から帰ってきて夕食が出来るまでのちょっとしたひととき。僕は良くコタツに当たりながらテレビをみていた。テレビの内容はアニメが多く、中でも印象に残っているのは「ど根性ガエル」だった。 …

【書評】空より高く

空より高く (中公文庫)重松 清中央公論新社 ( 2015-09-19 )ISBN: 9784122061644FakePlasticTreeで詳細を見る 重松清はもう巨匠といっても良いぐらいの作家なんだろう。 最近は『とんび』や『流星ワゴン』などが次々とドラマ化されてそれは感動的であった。 …

1つの大作が終了を迎えた。【Sunny】

水彩画のように淡い。ゆっくりと流れる時間。その時間の中に埋め尽くされる情感。 Sunny 6 (IKKI COMIX) 松本 大洋小学館 ( 2015-10-30 )ISBN: 9784091886859 FakePlasticTreeで詳細を見る この漫画の雰囲気を自分の拙い言葉で表現するとしたらこんな感じに…

【書評】くるくる自転車ライフ

自転車は車と比較される場合がある。 どんな高級車(自転車)でも、軽自動車より高いし維持費もかからない。自動車よりも健康に良い。駐車のスペースなどもいらない。などなど典型的なものをあげるとこうだ。 しかし何と言っても自転車は楽しい。そしてこの時…

【書評】スラップスティック

青野春秋氏といえば自分の中ではここ数年来で衝撃を受けた漫画家の1人だ。その代表作といえば何といっても「まだ俺は本気だしてないだけ」。映画化もされた本作。同じ40代のしがない中年男性として、胸に突き刺さる部分が多い情緒的な作品であった。酷くシン…

【書評】レッド 最後の60日 そしてあさま山荘へ(2)

レッドと言う漫画はもう購入して何年にもなる。連合赤軍による連続リンチ殺人事件を描いた漫画なのだがその内容はおよそ現実とは信じられないほど凄惨で読むのが苦痛になるほどのものだ。 レッド 最後の60日 そしてあさま山荘へ(2) (KCデラックス イブニング…

【書評】逆風に立つ 松井秀喜の美しい生き方

伊集院静氏が松井秀喜のことが大好きなのは以前から知っていた。大好きというレベルではなくそれこそ惚れていると言って良いレベルなんだろう。彼のエッセイを何かひとつでも読めば直ぐにそのことは了承できる。 逆風に立つ 松井秀喜の美しい生き方伊集院 静…

今気になるWeb漫画

ど根性ガエルの娘weekly.ascii.jp 今隔週で楽しみにしているWeb漫画がある。それがこの「ど根性ガエルの娘」。かの「ど根性ガエル」の作者である吉沢やすみ氏の実娘、大月悠祐子が描く父の姿。 ど根性ガエルといえば、僕にとっては再放送を見ていた世代だ。小学校…

【書評】風雲児たち26巻

「風雲児たち」の新刊を知ることで季節の移り変わりを知ることができる。それは「風雲児たち」が年に2回発刊されるからだ。そして今年もそんな季節がやってきた。発売と同時に手にした26巻。いつもはコミック形式でAmazonから購入していたが、今回はKindle版…

【書評】ソ連が満洲に侵攻した夏

僕の祖母はもう随分前に他界している。その祖母は満州に戦前いたこともあってか、中国残留孤児の番組等を見て涙ぐんでいた。そしてことあるごとにロシア人の悪口を口にしていた。相対的に中国人には随分と感謝していた。祖母と同じ世代の人は同じような感覚…

【書評】戦争めし

戦争めし(ヤングチャンピオン・コミックス)魚乃目三太秋田書店 ( 2015-08-07 )ISBN: 9784253143202FakePlasticTreeで詳細を見る 太平洋戦争当時の食料事情は一体どうなっていたんだろう? 戦士した人々の多くが病死や餓死であったという報告もあるぐらいだ…

読後に色々考えさせてくれる本は素晴らしい本だ【書評】卑怯者の島

「小林よしのり」という著者名を聞いただけでどこかその著作を読むのを敬遠してしまう人も多いのかもしれない。一時期は所謂ネトウヨの代名詞的な人物として認識されていた時もあった。AKB48に異様な情熱を燃やしてちょっとした異和感を個人的に感じる所もあ…

【書評】男性漂流 男たちは何におびえているか

男性漂流 男たちは何におびえているか (講談社+α新書)奥田 祥子講談社 ( 2015-01-21 )ISBN: 9784062728874FakePlasticTreeで詳細を見る 生きていくこととは絶えず何かを諦めるということなのだ。 20代の頃、僕は良く自由に空を飛べる夢を見ていた。『これは自…

カメラ(写真)ってやっぱり素晴らしい

誰も教えなかった “自分流写真”の方法丹野 清志玄光社 ( 2013-09-05 )FakePlasticTreeで詳細を見る 写真を撮るようになったきっかけは子どもが生まれたことだった。おそらくそういう人は多いだろう。当時はソニーのメチャクチャ小さいオモチャののようなデジ…

【書評】ぼく、ドラえもんでした。涙と笑いの26年うちあけ話

ぼく、ドラえもんでした。涙と笑いの26年うちあけ話大山 のぶ代小学館 ( 2006-05-26 )ISBN: 9784093876544FakePlasticTreeで詳細を見る ドラえもんの声といえば大山のぶ代。僕らの世代は100%そう答えるだろう。 今の愛くるしくて若々しいドラえもんの声とは…

椿山課長の七日間

浅田次郎といえば「鉄道員」。というか僕はそれしか読んでないのだけど。この珠玉の短篇集の中でも“角筈にて"という物語は格別であった。子どもの一途な想い、二度と帰ってこない過去、父親の切なさ、人間のやるせなさ。全てが詰まった作品だった。少ししん…

【書評】キングダム39巻!

巷ではキングダムがめちゃくちゃ盛り上がっているらしい。テレビ番組がきっかけで元々人気があった漫画がもう1-2段階ぐらい爆発したような感じだ。近年まれにみる緊迫感のある作品。それが連載開始からずっと持続している。持続しているというより加速度的に…

【書評】空が、赤く、焼けて 原爆で死にゆく子たちとの8日間

きっかけは確か日本経済新聞に掲載された書評からだった。 空が、赤く、焼けて 原爆で死にゆく子たちとの8日間奥田 貞子小学館 ( 2015-06-25 )ISBN: 9784093884280FakePlasticTreeで詳細を見る 原爆が落ちてしまった広島へ親戚を探しに来た著者が体験した子…

【書評】僕だけがいない街

僕だけがいない街 (6) (カドカワコミックス・エース)三部 けいKADOKAWA/角川書店 ( 2015-07-04 )ISBN: 9784041031346FakePlasticTreeで詳細を見る 【書評】僕だけがいない街 - FakePlasticTreewww.yoshitaka4729.com 僕だけがいない街は、日本の漫画作品におけ…

人間にとって最高の娯楽とは知的な生活をおくることなんだろうと考えた【書評】知的生活習慣

知的生活習慣 (ちくま新書)外山 滋比古筑摩書房 ( 2015-01-08 )ISBN: 9784480068095FakePlasticTreeで詳細を見る 外山滋比古氏といえば知的生産をテーマにした書籍の大家。氏が執筆した「知的創造のヒント」や「思考の整理学」はあまりにも名著で現在でも十…

みなもと太郎氏の風雲戦国伝を読んだ

風雲戦国伝 風雲児たち外伝 グループ・ゼロ 作者: みなもと太郎 出版社/メーカー: グループ・ゼロ 発売日: 2014/06/11 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る 日本の歴史漫画の大傑作といえば みなもと太郎氏の三十年続く「風雲児たち」だろう。 第…

熱い男の野球の野球漫画

無駄に男臭いものが何故だか急に欲しくなる。 年末になると何故だかスクールウォーズを無償に見たくなり、そして同じ場面を連想しては涙にくれる。こんな臭い話は実際にないだろうと理性的には分かっていつつも 大袈裟に感動してしまう。それはきっと年齢のせ…

【書評】遊戯療法と箱庭療法をめぐって

『自分の仕事に対して誠実になる』ということは本当に難しい。 この書籍は本当に自分の仕事に真髄に向き合って、それこそ血と肉から紡ぎ出されたといってもよい内容のものだ。誠実な本だと思う。 遊戯療法と箱庭療法をめぐって弘中 正美誠信書房 ( 2014-03-20…

ライカに関してのエッセイを読んだ【書評】

LEICA,My Life (ライカ、マイライフ) ライカの本を読んだ 前の記事にも書いたとおり、親父から自慢のライカのカメラを譲り受けた。もうこの年齢になると形見みたいなものだ。デジタルライカのM9/8という2つのモデル。 レンジファインダーという種類のもので、…

【書評】自己愛人間

自己愛人間 (ちくま学芸文庫)小此木 啓吾筑摩書房 ( 1992-09 )ISBN: 9784480080165FakePlasticTreeで詳細を見る この書籍が書かれた時代は昭和。もう随分と前の話だ。しかしながらその内容はぴたりと現代を予言している点において慧眼に値する。しかもその言…

【書評】気が付けば100km走っていた

軽井沢グランドフォンドの参加証が到着した - FakePlasticTreewww.yoshitaka4729.com 軽井沢グランフォンドの開催まであと1週間。数ヶ月前にはこの大会に向けて体重を2-3kg落とそうと考えていたのだけれど,帰って2-3kg体重が増えてしまうという大失態をやら…

連休の初日に良い本に再度出会うことができた

人間をみつめて 5年程前から読了した書籍の気になるポイントを書き写してEvernoteにすべてストックしている。そして毎週土曜日か日曜日にそのストックしたものの中から,10個ぐらいをぼけっとしながら読み返している。これが結構ためになるというか面白い。自…

【書評】かんもくガール

場面緘黙症とというのは文字通りある場面において全く喋れなくなってしまうこと。子どもに多い子どもの病気。自宅では饒舌過ぎるほどにぺらぺら喋ることができるのに学校だと全く喋れなくなってしまう。 臨床の場ではわりかし多く経験する。多くは成長ととも…

キングダム38巻

キングダム38巻が発売された。 キングダム 38 (ヤングジャンプコミックス)作者: 原泰久出版社/メーカー: 集英社発売日: 2015/04/17メディア: コミックこの商品を含むブログ (1件) を見る 相変わらずこの漫画を読むのは楽しみで最新刊が発売されると速攻で購…