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ひびのいろいろ

【書評】空が、赤く、焼けて 原爆で死にゆく子たちとの8日間

きっかけは確か日本経済新聞に掲載された書評からだった。

原爆が落ちてしまった広島へ親戚を探しに来た著者が体験した子どもの死にまつわる物語。

爆撃直後の広島で出会う子どもたちは瀕死の状態の子どもばかり。保護者から離れて途方にくれる学童期の子ども、瓦礫の下敷きになって手足だけ出ている状態の母親から離れられない2,3歳の幼児。

そして出会う子どもたちのそれぞれが1日ももたずに死んでしまう。そんな子どもたちの物語が幾編もこの書籍には収められている。

ちょっと読むのがしんどい。決して分量がある書籍ではないけれど読み進めるという作業がこれほど重苦しく体力を使うものもそうはないだろう。人間が人間に対してここまで残酷なことができるのが?これが戦争というものなのか?色々考えて止まらなくなる。

太平洋戦争当時 戦争に向かってゆくのは避けられなかったのかもしれない( そうでなければ内戦が起こっていただろうと自分は思う )。しかし負けるとわかっていた戦争でもその終わらせ方は違う方法があったのではないか?とそんなことまで考えてしまいながらこの本を読んでいた