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ひびのいろいろ

【書評】メンタライゼーションでガイドする外傷的育ちの克服

メンタライゼーションは確か昔にちょっとだけ勉強したことがあった。一時期日本でもブームであったからだ。丁度十年ぐらい前だったかな。

その基本的理念は本書に書いてある。

メンタライゼーションmentalizationとは,「自己・他者の言動・行為を,心理状態(欲求・感情・信念)に基づいた意味のあるものとして理解すること」を意味し,メンタライズするmentalizeという動詞形で使われます(第3章参照)

言われてみると「ふーん、なるほどー」と言う定義なのだけれどいまいちこれがどういうことであるのか腑に落ちるまでにはその当時は至らなかった。何だか曖昧なままで終わってしまったのだ。

勉強するときに読んだ訳本が至極難しかったからかも知れない。ほとんど理解できなかった。

しかし本書はわかりやすい。日本語の平易な文章で具体例(臨床例)を交えて書いている。訳本出ないのも良い。無理矢理英語を日本語にした難解さがない。冒頭部分の例え(「ヒデヨリくん」と「ノブナガくん」の例え)がこれまた素晴らしい。

素晴らしい本というのはその後の読書の幅が広がってゆくものだけれど、本書もそうなりそう。前回の反省を生かし今度は原著にチャレンジしてみよう。とりあえずKindleで2冊ゲット。結構な金額だったので少し気合いを入れて勉強してみよう