FakePlasticTree

ひびのいろいろ

こんな時代だからこそ_【書評】劇画ヒットラー

他の多くの世界中の人々と同じようにびっくりした。勿論それは先週の選挙の結果のことだ。他国の選挙でこれほど固唾を呑んで見守ったものはないだろう。そして歴史が動くとはこんなことなんだな。と漠然と思った。だから人間の歴史は面白い。誰もが[まずい]と想いながら、流れの中で後戻りできなくなってゆく。それは大東亜戦争の末期でもそうだったであろうし、ナチス・ドイツの台頭でも同じことが言えたのではないだろうか。

劇画ヒットラー (ちくま文庫)
水木 しげる
筑摩書房 ( 1990-08 )
ISBN: 9784480024497

こんな時期だから、水木しげる氏の「劇画ヒットラー」を読んで見た。個人的には水木氏はゲゲゲの鬼太郎というよりも戦争漫画家というイメージのほうが強い。そして第二次世界大戦のどうしようもない閉塞感が氏の画風とぴったりと相性が一致する。と個人的には考えている。

世界史に詳しい人が読んだら物足りない内容かもしれない。しかし、ヒットラーがどういう人生を送ってきたかを手っ取り早く知るには非常に有用な書籍だ。ヒットラーを変に悪者っぽく、書いていないのも好感が持てる。

この書籍を読むと、どの国においてもナチス・ドイツと同じような運命になる可能性を否定できないことが良くわかる。 時代が混沌としたときにはやっぱり歴史を学ぶのが一番。

それにしてもこれから世界はどうなるんだろう