FakePlasticTree

ひびのいろいろ

百万円の女たち

青野氏の作品といえば「まだ俺は本気出してないだけ」になるんだろう。何せ映画化までされた作品だ。しかし個人的には「五反田物語」とか、「スラップスティック」など他にも良い作品は沢山ある。少なくとも僕が読んだ作品の中ではひとつも外れがない。

絵は実に「ゆるーい」感じなのだけれどストーリーは練りに練ってある。

この「百万円の女たち」も1度読んだら後には引けなくなってしまうほどにその物語に引き込まれる作品だ。

主人公は売れない小説家。父親は殺人犯で服役中。主人公のに自宅に女性が次々に住むことになる。女性は全部で5人。十代後半から30歳まで。ひとりひとりの女性が毎月百万円この主人公に渡す。そのかわり主人公はこの女性たちの生活の面倒をみなくてはいけない。

こんな謎すぎる設定。そして個人の生活(生活史)が少しずつ明らかになってゆく。今のところ2卷まで発売されているがまだまだ謎ばかり。

「俺は〜」と同じく、映画化されたらひどく面白そう。本当は「スラップスティック」の続きが気になって仕方がない部分もあるが、また新たな楽しみが出来て良かった。

しかし「青野春秋」恐るべし。