12月なので今年読んだ本ベスト7をあげてみよう
今年読んだ本といってもそれほど多くの本を読んでいる訳でもないし、その殆どが漫画だったりする。しかしそんな中でも自分の一年間で読んだ本のまとめをするのは悪くない作業であると思うし、少しまとめてみようという気持ちになってきた。自分のMediaMakerのページを見ながら1年を振り返ってみた。
そんな訳で今年読んだ本のまとめ。
1冊目はタスク管理の本。同著者の前著である「クラウド時代のタスク管理の技術」は随分と超人的な内容で、読んでいくと少し苦しくなってくる(自分にはできないよなあという意味で)気持ちがした。しかし、本書は「これならできるかも」という気持ちにさせてくれる。一般人向けのタスク管理の本。
こういった本のお陰で随分と自分の仕事も捗るようになった。電子機器の進化とも合わせて、自分の短所を補えるようになってきたのはなんとも嬉しい。年末年始に本書をもう一回読み返してみて自分のタスク管理を再確認してみよう。
2冊目は松本大洋の大傑作「Sunny」。行間というかコマとコマの間から、情緒があふれ出す漫画を僕は未だかつてしらない。台詞の1つ1つがじんわりと心に優しく、そして切なく響く漫画。まるで古い日本映画とかフランス映画を見てるような気持ちにさえなってくる。
現在第4巻まで発売されているが、僕個人的にはこの3巻が大好き。
シベリア抑留者の姿を描いたノンフィクション。日本人だけでその数は60万人にものぼるといわれていながらその実態についてはほとんどしらなかった。過酷な現実を淡々と素朴な絵の中で描いた作品。
その60万人の1人1人にそんなドラマがあったのだろうな。
有名ブロガーの半生記。何よりもその表紙が衝撃的すぎてびっくり。副題の「空しさを希望に変えるために」も良い。文体が柔らかく文学的で情緒に溢れているところも好きなところだ。それでありながら以下のようなどきっとする、孵に落ちるフレーズに溢れている。自分も著者のような歳のとり方ができたらなあと思う。
子どもが母親をもとめているとき、父親たる自分は何もできない。このなんともいえない無力感のようなもの、あるいはその無力感に耐えるような感じが、父親であるということなのかもしれない(p.98)
人生の敗北者であっても、貧しい生活でも、学ぶことで人生は豊かになる。(p.284)
今年最も興奮した漫画といえばキングダムだろう。秦の始皇帝を描いた漫画ながら、ほぼその内容はフィクションで。取り巻く武将達の男臭い暑さ、陰謀智略の限りをつくした権力闘争をドラマティックに飽きることなく描いている。30巻を越えてこんなに暑苦しくて面白い漫画は未だかつて存在しなかったように思う。
宅間守の精神鑑定書はよくぞこれを一般に出してくれたという本であった。様々な角度から宅間守の人間としての性質の解明を行っている。
事件は凄惨で辛い事件であった。この世の中にこういう種の人間が一定数は必ずいる。こういう人間をどう扱っていくか?社会がその生存に絶対必要な人間という生物において、永遠の課題なんだろう。
こういう本を通して犯罪者の科学的解明への関心が高まり、研究が進むと良い。
FakePlasticTree - ノンフィクション映画「立候補」
何気なくみた「立候補」というノンフィクション映画。そこにほぼ主人公として出演(撮影されていた)マック赤坂氏。その人物に強く惹かれて購入した書籍。その内容は決してお笑いでもなんでもなく、非常に真面目で深い内容であった。
もっとも今年読んだ本の中で意外性があった本だった。
こうして眺めてみるとやっぱり僕は漫画を沢山読んでいるんだなあ、と実感する。あえて自分の専門分野の本は今回は外してある。その専門分野の本も今年は役にたった本が多かった。
来年も色々面白い本が出るんだろうなあ。今から楽しみ。