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ひびのいろいろ

医師の感情

医師の感情: 「平静の心」がゆれるとき
Danielle Ofri
医学書院 ( 2016-05-30 )
ISBN: 9784260025034

医師として生きてゆくことは恐れと共に生きてゆくということであり、恐れはその生活の一部となるのだ (P162)

幻聴か幻覚が分からない。夜ベッドに横になっている時にPHSが鳴っているのではないか?と考えて”がばっ”と起きる。夢も仕事のことばかり。汗だくになって中途覚醒することは週に何回かある。昼間に他人のPHSの音が聞こえただけで心臓が苦しくなる。交感神経が過度に活性化され、呼吸も浅くなる。若干、ハイテンションになってゆくのが自分でも了解できる。

そんな生活がもう10年以上続いている。週に何回かは夜勤の仕事が入る。最大頻度では月の半分に届く程に職場に泊まっていた。 こんな生活を続けていたら、自分の感情を制御するのは無理だろう。実際、自分が学生の時と比較して大層人格が変化したなと思う。性格が悪くなった。

そんな感情を飲酒でごまかすこともある。つい感情的に何かを衝動買いしてしまうこともある。結局、歪な仕事の仕方ではどこかにはけ口を求めてしまう。本書を読むと、何とも言えない感情の生き場所を求めているのは自分だけではないのだ。ということを実感できる。そして多いにエンパワーメントされる。

今年読んだ書籍の中でピカイチであった。ちなみに本書を知ったきっかけは日経新聞の記事。

www.nikkei.com