FakePlasticTree

ひびのいろいろ

自分の臨床の型を作る

何か技術を習得するのに始めはいつも型というものがあるはず。その型をひたすら身体の中に染み込ませる。そうやって身体が直接反応するような段階になってから、応用を効かせてゆく。自分なりの幅をもたせてゆく。医療に限らず、所謂技術職ではそうゆう作業過程がどんなことに対しても当てはまる。

身体に型を覚え込ませる作業。それが結構難しい。特に僕が従事する分野ではその技術の習得がちょっと曖昧で個人芸に依るところが多い。 職人芸かつ自然に治療をすすめてゆく人が多いのだろうと思う。確かにスーパービジョンという制度があるにはあるのだろうけれど、それが極一般に体系化されてやられているとは言い難い。そもそも型がそれぞれの派閥によって違うのだから事態は余計ややこしくなる。その派閥も本当に沢山存在する。

自分が数年前からやっている認知行動療法という治療技法は、わりかし型にこだわる治療技法だ。 そして、数ある治療技法の中でも最も体系的に学ぶことができる方法だと思う。

研修制度もだいぶ整ってきている。

認知行動療法に関する研修 | 認知行動療法センター

そして僕自身も研修を受け、現場で実践して身につけていく作業を行っていた。実践の際に常に手元に置いておいた書籍が以下のもの。

認知行動療法トレーニングブック
Jesse H. Wright, Michael E. Thase, Monica R. Basco
医学書院 ( 2007-05 )
ISBN: 9784260004268

この書籍はDVDで映像も付属していて、実際の現場でどのように応用されているのかが分かる仕組みになっている。始めはちょっと取っつきにくかったものの幾度も読み返していくうちにその旨味が分かるようになってきた。正にスルメのような味わいのある書籍だ。おそらくこれから何度も読み返してゆく書籍だと思う。こういう本に出会えたというのは本当に幸福なことだ。

まだまだ自分は治療の型を憶えて身体に染みこませてゆく段階だろう。しかし自分の技術は確実にレベルアップしてゆきたい。