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ひびのいろいろ

男はつらいよ

久々の映画だった。正月休みに是非とも行きたいと思っていたので早速この映画を見に行った。

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子どもの頃、映画「男はつらいよ」は僕の父親が休みの時には決まって見ていた映画だった。映画館に観に行ったことはなく、テレビのロードショーをVHSに録画しておいたものを日曜日の昼間とかに家族で見るのだ。そして、寅さんの行動を見ながら居間のテーブルに家族四人で泣くほどに笑いながら 「またまた!トラの奴はだめだなぁ」と言い合いながら映画を見ていた。最後に美女に振られるというストーリーは分かっていながらもそれでもその予定調和というか変化のなさ(様式美)に安心しきって平和なひとときを過ごさせてもらった。途中から寅さんはほとんど出演しなくなり、甥の満男中心の物語になったのだけれどそれはそれで大好きな作品だった。満男演じる吉岡秀隆氏が僕と同世代というのもあるのかもしれない。氏の主演した「北の国から」と同時に僕は大人になったのだ。

そしてやっぱりこの映画を見て良かったと思った。途中から泣けてしかたがなかった。もう一回 会いたいけれど会えない人をひたすら想う作品。そんな気がした。それは自分の幸せだった時代(歳を取ると昔は幸せだったと思うものだけれど)がもう二度と戻らないのだ、としみじみ想うことにも似ているのかもしれない。だから途中から泣けて仕方なかった。なんでこんなに泣けるんだろうと思うほどに泣けてしまった。

劇場はお年寄りばかりだったせいもあってか、昭和の映画館のような雰囲気が満載だった。映画が終わり、最後に客席から自然と拍手が巻き起こった。そんな映画は自分は初めてだったし、でもそんな映画なんだろうと思った。