五島のトラさん
20年以上も1つの家族を追ったドキュメンタリー。舞台は長崎県の五島列島。その場所でうどん製麺を営む”五島のトラさん”の物語。なんと、このトラさんには子どもが7人もいる。だからよく民放で存在する”大家族もの”に近い映画なのかな。そんな想いで行きつけの映画館「ポレポレ東中野」へと趣いた。
結果は大正解だった。この場所(東中野)でやるノンフィクションはいつも素晴らしい。それは今回も同じだった。
パッとみただけだと、ちょっと面倒くさいオヤジ。それが五島のトラさん。家にいる時の映像はほとんど酒(焼酎)を飲んでいる。そして早朝5時から子どもに家業である”うどん製麺”の仕事を手伝わせる。成人した子どもには必ず地元に帰ってくるようにしつこく説得する。自分の周囲に家族がいないと気が済まない。表面上は「自由にしろ」と子どもに言いながら、全然自由でない。
まあようは理不尽の固まり。でもオヤジとはそうなんだよな。と想う。理不尽で自分の意見は絶対曲げない。殺したいぐらいに憎たらしい存在。そんな存在は親父なのだ。そして分かりにくい所で優しい。孫にはデレデレ。自分の子どもへの態度とは正反対。そういう姿勢を一貫して通してくれる存在は稀有なんだろう。だからこそ映画になったのだ。
- 作者: 犬塚はなえ
- 出版社/メーカー: ムーンプレス
- 発売日: 2007/06
- メディア: 大型本
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そんな親父が居ながらも、五島を出て写真集まで出した娘の犬塚はなえ氏は凄い。根性あるよなあ。やはりこの父親にしてこの娘ありと言ったところなのだろうか?