【書評】陰惨な作品
どこまでも陰惨な作品だ。
山本 直樹 / 講談社 ( 2016-02-23 )
読み進める度に気分が落込み何ともやりきれない想いが心の中で飽和してくる。絶望的な閉塞感。
何度その読み進める手を止めて本を閉じたか分からない。その数(回数)は計り知れない。そしてその都度大きく深呼吸する。そしてまた読み進める。その連続。
レッドの最新刊は特にそんな場面が多かった。分量的にはそれほど多くはない。しかしその心理的圧迫感は天文学的だ。
恐らく今、現在進行中の漫画の中で最も暗い作品だろう。
そもそも何故、僕はこんな作品を読むのだろう。ちょっとの隙間時間なんだからもっと気持ちがやすまるものに触れれば良いのではないか?と自問自答する。
でもこの作品に描かれる人物こそが人間のある側面なんだろう。それに目を背けてはいけない。直視しなければいけない。そんなことをしっとりと感じる自分がいるのだ。
読むのが辛かった。しかしこんな作品こそ、人間の悲惨な側面こそ色々な人たちに触れて欲しい。、