【書評】天才
今現在、書店の中で注目を最も集めている書籍の1つと言えば本書だろう。石原慎太郎氏が一人称で描いた田中角栄氏の自伝的小説。
僕が印象的な政治家を3人挙げるとしたら中曽根康弘、小泉純一郎そしてこの田中角栄だ。近代日本を作った人物の1人と言ってもよいのだろう。
確かテレビ番組(金スマだったかな)でも大々的に紹介されていた。
言うまでもなく昭和を代表する政治家。人間的な魅力に溢れているのが当時のテレビを通しただけでも分かった。当然地元での人気は絶大だった。
自分の祖父母は信州の出身地だった。そして角栄氏に対しては信仰しているのか?と僕が勘違いするぐらいに彼は圧倒的支持をしていた。ロッキード事件の時も憤慨していた。検察とマスコミに対してだ。
マスコミが徹底的なバッシングをする中で最後まで地元民に愛されたのも人間的魅力が大きいからだろう。
本書は内容的には目新しところはないが、田中角栄という偉人を広く世の中に再認識させるべく出版されたものだと考える。極めて読みやすく一気にその生涯をたどることのできる良書だ。
恐るべし。石原慎太郎。