今さらながらマニュアルフォーカス
僕が生まれた時にはもうカメラにはオートフォーカスがついていた時代だった。だからカメラに接するときにはなんの迷いもなくそれを使って写真を撮っていた。もう当たり前の空気のような存在だったのかもしれない。車のATも同じような感じなのかな。便利すぎてその存在を忘れてしまう。
とにかくオートフォーカスがあったからこその決定的瞬間を捉えた写真というのは世界に沢山、数え切れない程あるのだろうしその恩恵は計り知れない。
しかも最近のカメラのそのピントの合うスピードといったら驚異的で年々その速度も上がってきている。技術の進化って凄いと思う。
僕は社会人になって自分のお金でカメラを買うようになってからも当たり前のようにオートフォーカスのみで写真を撮っている。それこそそれ以外の選択枝なんてあり得ないと自分の中では考えていた。
でも最近ちょっと考え方が変化してきている。
きっかけは先日譲り受けた中古のカメラ。弁当箱みたいに馬鹿でかくてゴツい。しかしなぜだか男臭くてカッコイイ。液晶なんてあってないようなもの。カメラの液晶で画像を確認なんてもってのほか。国産のカメラについているありとあらゆる機能がなくてピントもマニュアルフォーカスのみ。
そんなカメラなんだけどなぜだかとてつもなく可愛い。そして愛着が沸く。そしてピントを合わせるという作業がとてつもなく楽しい。フォーカスリングを自分の手でゆっくりとと回してゆく作業は精神安定作用があるのではないかと感じてしまうほど。