「革命の子どもたち」というノンフィクション映画
「革命の子どもたち」は二人のテロリストとその子どもを描く映画だ。
二人のテロリストとは
- 一人目は重信房子 日本赤軍の最高指導者、そしてその子ども 重信メイ
- 二人目はウルリケ・マインホフ、ドイツ赤軍を結成した人物、そしてその子ども ベティーナ・ロール
映画は二人の子どもがそれぞれ自分の生き様と母との関係をインタビュー形式で振り返るという形をとる。2つの組織ともに今は解散宣言をし、組織としては解体している状態。
この二人の子どもだけでなく、それを取り巻く人物 足立正生や塩見孝也などのインタビューも差し挟まれる。自分は丁度この重信メイと同じ世代。日本赤軍などの存在も過去の出来事とでしか知らない。
そして、この元赤軍派の人々のインタビューを聞くと非常にイライラとしてくる。虫酸が走るような嫌悪感。どうしてこんなに自分の心がかき乱され、怒りが沸いてくるのだろう。その理由を自分なりに考えてみると、この人達が恐ろしく自己愛的なナルシシズムの塊だからなんだろう。その存在意義も定義もあいまいな革命という言葉に自ら酔い、難解な屁理屈で固め、人を上から見下すような態度。知的な自分に酔い、それを暴力で押し通そうとする身勝手で幼稚な態度。それに巻き込まれた無関係の人々が命を落とし、被害をうけた。
その部分がどうしても自分は受け入れることができない。
もちろん、テロリストの二人の子ども達には罪はなく、二人にとっては大事な母親。そして子どもが親たちを語るのは良い。子どもが親を尊敬するのも当然だろう。しかし、そのテロリストの仲間の周辺者が何か物知り顔で語るのはどうにも解せない。ようは身勝手で幼稚な殺人集団というだけではないか。
総括というなのリンチ殺人 | FakePlasticTree
連合赤軍に対しての書籍を読んだ時もそうであった。日本人の現在まで通じるある一側面がこのような集団の特徴に出ているのではないか。それはオウム真理教の事件にも繋がっているし、これからもそういう集団は出てくるのであろう。
しかし観た後何かモヤモヤとした感情が残り、気分が良くならない映画であった。