【書評】マスタード・チョコレート
1ページが全て四コマで作成される漫画. 元々は携帯コミックとして発表されていたものを書籍化したもの。
美大を目指す、人付き合いが苦手だけどでも何故かモテてしまう女子が大学生になってゆく物語。
「文化庁メディア芸術祭マンガ部門新人賞受賞作」という賞も受賞したらしい。
ストーリーはどちらかというとありきたりなもの。そして1ページ4コマという少し退屈なコマ割なのに何故かスラスラと読める。そしてその世界に引き込まれてゆく。そんな漫画。
主人公の「つぐみ」さんは芸術家肌で作品でも他の人より評価されてしまうことも多い。異性にもてて、それなりの才能もあって それでも飄々としている。そんな人なんてこの世の中にいるのか??? なんて嫉妬めいた感情まで出てくる。しかし主人公に嫌みがないので、嫌な気分にはならない。
絵もそんなに上手じゃない。むしろ最近の漫画の中では下手なほうだと想う。
それでも読んでいて嫌な気分にならないのはこの漫画の空気感とコマとコマの間が抜群に上手く文学的だからではないだろうか?
同じ作者の他の作品もなんとなく読んでみたくなってきたな。そんな漫画。
でも何故 題名がマスタード・チョコレートなんだ???