【映画】遺体 明日への十日間
東日本大震災の日は今でもはっきりと覚えている。当日は職場にいて職場の職員を避難誘導したり帰れる人たちは家に帰したりしているうちに夜になっていた。
夜は帰れなくなった職場の同僚とネットに繋いだパソコンでずっと被災状況をチェックしていた。「これから日本はどうなるんだろう?」とひたすら考えていた。そして震災から1ヶ月後幸運にも被災地で仕事ができる機会にも恵まれてそれは今でも継続させてもらっている。
3月が近づくと何とも言えない気持ちになるし、やっぱりあの日から色んな価値観が変わったと思うのだ。それは僕だけではなくて様々な人たちがそうなんだろう。
震災の遺体安置所を描く
「遺体 明日への10日間」は被災地の遺体安置所を描いた映画。石井光太氏の除籍の映画化だ。
映画の中で音楽や効果音など無駄な演出はいっさいされていない。廃校の体育館に次々と運ばれてくる遺体。そして取り巻く様々な人々。消防団の人たち、役所の人たち、医者、歯医者、ボランティアの人々。
ヘドロに囲まれた電気が通じなくなってひたすら暗く寒い体育館。そんな状況の中遺体に話しかけ人間の尊厳と敬意を最後まで保とうと努力する人々。自然への畏怖と絶望。様々な罪悪感。映像化するのにかなりの勇気が必要だったのではないかと思うし、まだこんなものを見て感慨に耽っている場合でもないのかも知れない。実際被災地の方々はとても辛くて見れないだろう。
この映画を見ながらまた様々な思いが、自分でさえ蘇ってきた。重く苦しい映画であることは間違いない。そしてこれからまた自分が何ができるかかだ。考えよう。