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ひびのいろいろ

新宿、刀削麺そしてSTAR WARS

僕が東京に生まれて初めてきたのは今から40年ほど前。就学前のまだ何もわからない頃だった。小学生の記憶でさえちょっとあやふやなところが多いのに、就学前だともうほとんど覚えていない。断片的な記憶が所々に点在しているぐらいだ。

そんな消えそうな記憶の中で東京に来たことはわりかし覚えている。

親父の転勤で東京に移り住むことが決まった。それまで田舎の地方都市でのんびり暮らしていた僕は、東京とはとっても恐ろしい場所だと考えていた。車がところ狭しと「びゅんびゅん」と走り交通事故は多発する。至る場所で新幹線が縦横無尽に走っている(ものだと勘違いしていた)。子どもが沢山犠牲になっているのだろうと想像した。

なにせ同級生とのお別れの会で「交通事故には気をつけて、車には轢かれないでね」と同級生から声をかけられた記憶もある。これは僕がちょっと多動だったからかもしれない。

実際に東京に来てみて、びびったのは新宿の高層ビル群だ。その当時も確か”住友ビル”などはあった。車の窓からビルを見上げるとそのままのけぞって後ろに倒れひっくりかえりそうだった。この世の中にこんな物(建造物)があるのか!とひたすら驚愕した。

親父と初めて行った映画館も新宿だった。年末に千葉の実家に帰る時に立ち寄った新宿の映画館。人混みでパニックになりそうで父親の後ろ姿を追うだけで必死だった。見た映画はスターウォーズ・エピソート3(もしくは4)だった。当時は全く意味がわからず、ストーリーが追えなかったが、戦闘機がかっこよかったのは覚えてる。

そんな新宿に佇むお店

 そんな思い出深い新宿。今は仕事柄立ち寄ることが多い場所。雑然としていて少し怪しい雰囲気はまだまだある。あたらしい駅ビルなどができて、ちょっとおしゃれな雰囲気はあるけれど一部の地域は昔のままだ。

この街でちょっとおいしいお店を見つけた。刀削麺のお店。駅ビルの4階にあってあまり目立たないがお客さんでごったがえしている。そして店内は驚くほどに広い。

そこでおなかいっぱい昼ご飯を食べた。そして少し優しい味がした・。

そういえば親父はいつもおなかいっぱい食事を奢ってくれたことが多かった。頼む量が半端なかった。自分が食べると先にかえってしまうことも多かったけれど。 この店の刀削麺を食べながら新宿とそんな親父の思い出が蘇っていた。