夜道を歩く
22時40分。仕事が終わって電車に乗り駅を降りる。駅前のバス停から発車するバスの最終時刻だ。雨が降った日などはバス通勤になるのでこの時間がバスに乗ることの出来る最終時刻となる。
時間を過ぎると必然的に歩くかタクシーに乗らなければならない。歩くと約30分ほどの時間。距離にすると2か 〜3kmというところだろう。当然だが泥酔しているのでない限りタクシーなんかに乗れない。そんなお金もないし、タクシー券なんか持ってない。
だから歩く。ひたすら歩く。週にそんな日が2,3日ある。特に今週は雨が多かった。そして仕事も要領よく終わらなかった。自身の事務能力が欠如しているからだ。
まぁでも歩くのも悪くない。特に怪しい路地裏をとぼとぼと深夜に歩くのは結構楽しい。みな夜更かしだな、と思う。平日でも飲み屋街は賑やかだ。
赤提灯もなぜが心を和ませてほんのり暖かくさせてくれる。
自宅に近付くにつれそんなほっこりとした気持ちは少し薄れてゆく。家に帰りたくないわけでない。明かりが少なくなってなんとなく寂しくなるだけだ。だから家に帰った途端にまた安心。やっぱり自宅はいいものだ。