神去なあなあ日常
三浦 しをん / 光文社 ( 2011-09-17 )
「舟を編む」は映画化もされ、書籍も大ヒット。多くの人に知られる作品となった。小説はその文章の読みやすさとテーマがユニークでもあること、登場人物のキャラクターが個性的かつ魅力的で非常に面白い小説だった。
神去なあなあ日常 」は同じ作者による長編小説。林業を生業とする三重県の神去村に送り込まれた青年「勇気」の物語。いきなり林業の世界に送り込まれるという設定が強引ではあるけれど、そんな設定の物語だ。
紀伊半島に存在する神去村の人々が山を崇拝し、自然と隣合わせになりながらも生きる姿が描かれている。林業のかなり細かい仕事内容まで触れてあるので作者も相当取材を行ったんだろう。
ちょっと気恥ずかしい青春小説のような内容で、僕がもうちょっと若かったら、後15–20歳ぐらい若かったらもっとこの小説にのめり込んでいたかもしれない。だけどちょっと気恥ずかしすぎてダメだった。もう感性が鈍っているんだろう
「本を編む」のほうが自分の心のなかにスッと異和感なく染みこむ感覚があった。これはきっと自分の身体が生まれながらにして文系であるからこそのことなんだろうなあ。