読んでいて痛快な気分になってくる【書評】小さなチーム、大きな仕事
連休中に読んだ本の1つ。この前に読んだ「強いチームはオフィスを捨てる」という本が面白かったので、前著にあたるこの本も読んで見た。
ハードカバーで分厚く見える本書ではあるけれど、実は挿絵の数が異様に多くてそこまで分量が多くない。しかし、その挿絵がインパクトが強いのと文章に非常にマッチしていて文章の内容に沿ったものなので非常に効果的な作用をしていると思う。
37シグナルズ というIT業界の先端を走る人々がどういう考えで仕事をしているのかが本書を読むとなんとなく分かったような気になる。そしてそれは堀江貴文氏などとの共通項も多いのではないか。
本書でまず印象的なのは長期計画をたてていくことへの懐疑だ。
何かをしているときこそ、最も情報が豊富なときだ。する前ではない。だとしたら計画はいつ立てるべきなのか?たいていの長期計画は何かを始める前につくるが、重大なことを決定するのにこれ以上悪いタイミングはない。 (P22)
今年でなく、今週することを決めよう。次にやるべき最重要課題を見つけ出して、取り組むのだ。何かをするずっと前ではなく、直前に蹴ってを下そう。 (P24)
普通の自己啓発書とはちょっと違った赴き。流れが非常に速い職場では長期的な計画よりも柔軟性が重視されるということだろう。これは僕も何となくよく分かるような気がする。一年後の計画よりも1–2ヶ月後のことを考えてとりあえず今ベストを尽くすということだろう。
そして会議の考え方も面白い。
ほかのなによりも最悪な邪魔者は会議である。 (P112)
会議が一般的にテレビ番組のようにスケジュールされるのも不幸なことである。会議を30分か一時間の枠でスケジュールに入れるのは、スケジュールソフトがそのように動くからだ。 (P113)
次のような単純なルールを守ることで会議が生産的なものになるようにしよう
- タイマーをセットする。タイマーが鳴ったら会議は終了。そこまで
- 可能な限り少ない人数しか呼ばない。
- 常に明確な会議の議題を設定する
- 具体的な問題から始める
- 会議室のかわりに問題が起こっている場所で会う。実際の物を指さし、本質的な変更点を提案する。
- 解決策を出して終了し、誰かにそれを実行する責任を負わせる。 (P114)
確かに会議って無駄に固定して時間を取られる。大きな職場では絶対存在するものだけれど本当に邪魔なものだと思う。なるべく少ない人数のコミュニケーションで済ますことができればそれにこしたことはない。
そしてこの本でもっとも印象的だったのは人材雇用の点。人を採用する時に何が一番重要であるかというと、それは資格や学歴なのではなく文章力なのだそうだ。
もし、選考の過程で誰を雇うか決めかねているときには、文章力の有無は1つの大きな選考基準になるだろう。 (P219)
文章がはっきりしているということは、考え方がはっきりしているということである。 (P221)
これも言われてみれば納得。今現在の職場で全てのことが実践できるわけではないけれど、でもこの本で参考になりそうな所はどんどんと実践してゆこう。