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ひびのいろいろ

【書評】人間って良いもんだよなと素直に思える_3月のライオン9巻

 

昨日のfitbit forceをなくしてしまったショックから中々立ち直れないなか、ふと本屋に寄って手にとった1冊。新刊が発売されているのを知らなかった「3月のライオン」.

 

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東京の下町に住む高校生のプロ棋士と美人3姉妹とを巡る、表面上は将棋の漫画ということにはなっているが、優しい絵柄で人間の内面を描く漫画。読む度に心が癒やされる漫画はそうはないだろう。しかしこの9巻は購入するのに大夫勇気が必要だった。この表紙の漫画を中年の男が購入するのはかなりの勇気がいる。

 

前半の山場は教師が生徒にふと語る言葉

 

前半の山場は何といってもいじめ問題に関すること。それも虐めの加害者に教師が語る言葉。

それは

 

 

おまえが何にも頑張れないのは自分の大きさを知ってがっかりするのが怖いからだ

 

 

という言葉。言葉だけにするとなんてない文章だが、この漫画の空間の中でこの言葉が出てくると強烈なメッセージとなって心の中へと突き刺さる。そういう間がある作品なのだ。

 

そして後半は宗谷名人と土橋九段との戦い。土橋九段を取り巻く家族(特に母親)の切ない想い。そんな想いも素直に伝わってきて何とも味わい深い。

 

とにかく人間って良いものだなあ、とこの漫画を読むと素直に感じることができるようなそんな素晴らしい作品なのだ。