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ひびのいろいろ

グループホームで繰り広げられる深刻な物語 【映画】「くちづけ」

くちづけ [DVD]
貫地谷しほり, 竹中直人, 宅間孝行
TOEI COMPANY,LTD.(TOE)(D) ( 2013-10-11 )

ほんわかした優しいDVDかな。と考えていたものの、もの凄くシリアスで重いテーマの作品。見終えた後に何とも言えない気持ちになり、その重いに圧倒され放心状態となる。そんな作品。

舞台は知的障害の人々が始まるグループホーム。利用している人々とその家族、援助者の物語。舞台劇を映画化した作品でもある。知的障害者を持つ家族の想いが直接ガツンと伝わってくる。 まこちゃんの父親、うーやんのお姉さんそれぞれ必死に自分の人生と家族への想いに挟まれながら生きている。その一方で家族が年金を使い込んでしまい、グループホームへの退去を余儀なくされる人もいる。そういったエピソードも現実に沿って描かれている。

知的障害を持つ人々が歳を取り、家族がどう付き合ってゆくか? 高齢になってどう生活してゆくか? どう地域に理解してもらうか? どう支えてもらうか? 非常に難しい問題であるが、常に付き合ってゆかなければならない問題であろう。

04 低出生体重児について2 - 厚生労働省

低出生体重児の割合が増加し、周産期医療の発展も伴って益々こういった問題は深刻になってゆくのだろう。そんな状況の中で僕らが何ができるのか? それを深く考えさせられる作品であった。

この映画の挿入歌「グッドバイ・マイラブ」が作品を見終わった後でもいつまでも心の中でリフレインしている。その歌詞がひとつひとつ 自分の心の中へと突き刺さる。

重い映画であった。