普通の仕事と非日常の仕事
仕事で頼まれてイラストを描く機会があった。
絵なんか習ったこともないし、デッサンもめちゃくちゃ。正直言ってかなり下手。
しかし思い返せば、子どもの頃自由帳に変なストーリーの漫画をひたすら描いていた。最初はどうしようもなく壮大なストーリー。設定は地球滅亡とか宇宙戦争とか、怪獣もの。それをノートに書き続けクラスで回し読み。クラスに2–3人そういう漫画を描く子どもがいて僕もその1人だった。
今現在はインターネットなどでいくらでも漫画や画像、動画、音楽に触れることができるけどその当時は絵や画像というだけで貴重な時代だった。漫画の回し読みなども今よりずっと頻繁に行われていたと思う。
肝腎の僕が書いた漫画は結局ストーリーが途中から上手くいかず連載は三日ほどできれてしまうのがいつものパターン。始めに考えることが壮大で後になればなるほどすぐに行き詰まってしまい中断。そしてまた次ぎの物語へ。なので物語が最後まで完結した作品ってほとんどなかったように思う。
もしかしたらこれは今の自分の仕事の仕方にも当てはまることなのかもしれない。
何かを始める時に最初のとっかかりは「これは凄いアイデアだ」と1人で勝手に盛り上がって最初の集中力だけはもの凄い。そして三日もたつと行き詰まりを感じて遅遅として仕事が進まなくなる。そういうことが今も昔も変わらず続いていると思うとなんだかとっても切なくなるけれどちょっとせつなくもなる。
最初のとっかかりはゆっくりとしたスピードでそれを淡々と続けていくうちにいつか大きいものになってゆく。それが理想的な仕事の進め方なんだろう。
ちょっとその辺を意識して仕事に取り組まないといけないな。もう大人なんだから。
しかし、本来の仕事とはほとんど関係のない仕事は結構な気分転換になる。夜に時間を忘れて絵を描いてしまった。充分気分のリフレッシュにもなった。そういう効果も狙ってくれて上司が自分にこういう仕事を依頼してくれたのかもしれない。感謝。