FakePlasticTree

ひびのいろいろ

総武線のBrompton乗り

Brompton M6Lが通勤の脚となって数年が経つ。経年変化で各部品は摩耗が激しい。1部は少し錆が出ているところもある。もうすぐ二桁にかかるような年月をこの相棒と過ごしているのだから劣化がはじまって当然だろう。

何回か修理に出したしタイヤも複数回好感した。チェーンも2回程交換した。サドルバッグをつけたり外したり、サイクルコンピューターも世代交代を幾度か経験した。ベダルを半分ビンディングに改造もした。

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北は宮城県から南は山口県まで共に道を走った。東京から山梨まで峠を越えて走った。あれは7月下旬のうだるような、殺人的な暑さの日であった。

イライラしながら、やけくそでペダルを踏みつけたり、気分が高揚して鼻歌を歌いながら漕いだ日もあったかもしれない。

そんなことがあるからこそ, この自転車に対しての思い入れはたぶん結構強い。だからこそ、街中で同じBrompton乗りに遭うと、同胞意識というか安心感と高揚感に包まれる。至極幸せな気持ちになれる。

つい先日も、仕事返りでヘロヘロになりながら乗った総武線でBrompton乗りに遭遇した。車体は全面がカバーに覆われていて詳しくは見えない。しかしあのコンパクトなシルエットは間違いなくBromptonであった。僕がそのことに気づいた瞬間、相手の中年男性(おそらく50代ぐらい)と目があった。そして満面の笑みでの会釈。親指を突き出すジェスチャーが想像できる程の満面の笑み。すかさず僕も笑顔で返す。至福の瞬間だった。

共感とはこういうものかもしれない。そしてその瞬間があるからこそ僕は生きて行けるのかもしれない