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【書評】泡沫候補

ノンフィクション映画「立候補」 | FakePlasticTree

衝撃的なノンフィクション映画「立候補」を見たのは去年の年末だった。東中野の雰囲気の良いこじんまりとした映画館に行き、満員のお客さんとともに見た映画。

マック赤坂のあまりの破天荒さに場内は爆笑の渦であった。しかし最後には何故か感動的な親子の絆を見せられて終わる映画。マック赤坂氏の人間性に引き込まれていき、「この人は一体どういう人なんだろう?」と興味が尽きなくなってくる映画それが「立候補」であった。

その映画を書籍したものが今回読んだ書籍。基本的な話の流れはおそらく映画と同じであろうと思う(記憶があいまいなのでおそらく)

この書籍を読んで、映画の粗筋を後追いしているような感覚を体験することができた。

しかしマック赤坂の言動は酷い。

次の政見放送では、俺は今までよりももっと凄いことをやるからな!チンチン出そうと思う。ただ、それをすると公然わいせつ罪でつかまって、それで選挙戦が終了の可能性があるからな。脱ぐべきか、脱がざるべきか?それが問題だよ (P18)

他に、踊り以外でもマック氏が街頭活動として力を入れているtこおtがあった。演説中に美人をみつけると「スマイル美人!」と叫ぶ。すると櫻井秘書が名簿を持ってその女性に近づき、メールアドレスと連絡先の記入をお願いする。マック氏が言うには、スマイル美人のナンバーワンに選ばれると「マック氏と行くロサンゼルスの旅プラス100万円」がプレゼントされるとのことだった。私の調べた範囲では、実際に100万円をプレゼントした形跡はないので、ただのナンパだと思う。 (P36)

などなど。ただのギャグとしか思えない。こんな様子を見ていたら誰1人として選挙では投票しないだろう。しかし、街頭の中に佇む怖いオッサンにはマックのもう一つの顔を読まれていた。

これも別日だが、この日のマック氏はレオタード姿でホットパンツをはいて街頭演説をしていた。それをじっと見つめていた怖そうなオジサンが含蓄ある言葉を言った。「このおっさんは、もう一人の自分がおるな。心の中に」 (P95)

マック氏はこういった破天荒な言動を選挙の中だけで計算尽くでやっている。自分が運営する会社に戻れば、超一流のエリートサラリーマンに戻る。そこのギャップがどうしても良くわからない。何故こんなことをするのか分からない。

それはマック赤坂氏の息子(戸並健太郎氏)についてもこう語る。

本人は、経済にしても政治にしてもダテに京大出て伊藤忠入って営業やってたわけないですから。日経新聞だって毎日ボロボロになるまで読んでいるんです。最近記憶力がないと言いつつも。文献なんて色々調べて、今日本に足りないものは何か? 東京都に足りないものは何か?そうした知識や考えは他の候補者なんかよりも圧倒的に持っているはずなんです。 (P135)

そんな人物があの政見放送。うーん。やっぱり良く分からない。